赤ちゃんの検診時には、必ず股関節の動きをチェックされ、足の動きや、長さが左右で違ったりすると、先天性股関節脱臼を疑われ整形外科の受診を勧められてしまいます。お医者さんに言われるとびっくりしてしまいますが、生まれた直後から皆さんが想像しているような脱臼をしていることは稀で、股関節の可動域が単に制限された結果起こると考えられています。
では、先天性股関節脱臼とはどのような原因で、どんな子に多くみられる症状なのでしょうか?
先天性股関節脱臼の症状や原因、一般的な治療法と当院で行っている小児カイロプラクティックについてご紹介します。
目次
先天性股関節脱臼(せんてんせいこかんせつだっきゅう)はどんな子に多いの?
先天性股関節脱臼は女の子、初産、逆子だった子、さらに子宮内での圧迫や、動きの制限(胎児の大きさや羊水過少)を受けた子に多く見られます。
60%が左股関節、20%が右股関節、20%が両側に起こると言われ、斜頸(しゃけい=首が傾き、顔が回しにくくなる病気の総称)、内反足(ないはんそく=足の形態異常)との関連も考えられています。
先天性股関節脱臼の一般的な治療の方法は?
股関節を自由に動かすための日常生活上の注意、リーメンビューゲル(装具)、けん引、手術などにより対処されますが、問題の程度、赤ちゃんの年齢、医師の考え方により異なります。
先天性股関節脱臼と言われる多くの原因は?
股関節の開排制限があるために検診で指摘されますがレントゲンでは異常なく、超音波検査でわずかな不安定性が見つかる程度のものです。
股関節の開排制限と反対側に頚(くび)の向き癖が生まれつきある赤ちゃんが多いです。
向き癖によって、しばしば体幹の歪みを伴っています。この歪みのために、骨盤が傾き検診で下肢長(かしちょう)が違うと指摘されることが多くあります。(実際は長さの違いはないが、測り方によって見かけ上の長さが違って見える)
このケースでは、骨盤のねじれから子宮のねじれとなり、胎内で赤ちゃんが窮屈な状態を強制されていたことで起こる状態が原因であるとの説もありますが、はっきりしたことはわかっていません。
開排制限
このタイプは原則として、治療は行わず経過観察のみとしますが、赤ちゃんが自由に動くことを妨げないようにしなければ、徐々に正常化し
ます。
稀に開排制限が持続する場合、股関節の発育に問題を起こす恐れがあるためにリーメンビューゲルによる治療を行うことがあります。
稀な先天性股関節脱臼の症状と治療法は?
1歳女児の左股関節脱臼
『亜脱臼』
亜脱臼とは、関節軟骨同士の接触は保たれているが肢位によって適合性が悪くなる股関節のことです。
適合が悪くなる肢位は多くの場合、股関節の伸展位であり、開排位では求心性は良好であることが超音波検査で確認できます。
臼蓋(きゅうがい=大腿骨の上端を屋根状に覆う骨盤の骨)の発育に悪影響を及ぼしX線像で臼蓋形成不全があったり、大腿骨の位置の異常があったりします。
このタイプはリーメンビューゲルによる治療が適応になります。
小児カイロプラクティックでは
頚(くび)の座り、ハイハイ、つかまり立ち、歩行、飛ぶ、走ると発達していく赤ちゃんをよりスムーズに発達できるようにお手伝いをするのが、『小児カイロプラクティック』の役割だと考えます。
そのうえで、股関節の役割はとても重要で、継続的な『小児カイロプラクティック』によって、筋肉・骨格・神経の発達を最適にし、股関節の問題を解決していくことは赤ちゃんにとって、とても重要になります。
実際、『小児カイロプラクティック』の現場において、ハイハイ時まで股関節の問題が残ったことはありません。
「こんなわずかな刺激こんなに変化が出るのか~」といつも赤ちゃんの持つ能力に感心させられています。
先天性股関節脱臼予防と日頃のケア
赤ちゃんの先天性股関節脱臼の予防は、オムツのつけ方・抱き方など赤ちゃんの動きを妨げることが無いようにケアをしながら、日頃から股関節の動きをよく観察することが大切です。
股関節の動きに異変を感じるようでしたら、『小児カイロプラクティック』による施術をしてみてはいかがでしょうか?
『小児カイロプラクティック』について詳しくは、こちらをご覧ください。
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